捨て猫だった「くう」の話6

その年も終わる12月の終わり、また外に出てしまっていつもはご飯の頃には、帰ってくるのに、とうとう帰って来ませんでした。
心配しながら、あちこち探しても結局見つからずあきらめて朝まで待つことに、朝ごはんには帰ってくるだろうと思っていたら、その日も帰らずそれから4日たちました。
あちこち探しても見つからず、もうだめかもと思ってすっかり落ち込んでいた。
とうとう大晦日が来て、一緒に年越せなかったねとすっかりあきらめていました。
年が明けて、元旦の朝早くに「にゃあにゃあにゃあ」と玄関のドア辺りから声がします。
大急ぎでドアを開けると、そこには弱々しいくうがいました。
「良かった生きてた、よく帰ってきたね」どこかに入り込んで出られなくなっていたのだろうか?
「何日も食べずに寒かったろう、本当によく帰って来てくれてありがとう。」
小さい体がまた一回り小さくなったようです。
あれから8年、相変わらずしょっちゅう脱走するくう、人間にはあまりなつかず、つんでれなくうです。
最近年をとってきたせいか、すりすりして甘えるようになって、ますます可愛くなってきました。
でも人の上を歩き回るのも愛情表現なの?
甘がみも?抱くといやがるのも?
小さい体だけど、態度は大きいんです。
これからもこんな時間が続いていきますように。
ずつとは一緒にはいられないだろうけど、最後まで一緒にだよ。
「くう大好き。」
終わり